エシカル消費とは?私たちにできる実践アイデア
エシカル消費という言葉を聞いたことはありますか?この記事では、エシカル消費の意味から具体的な実践方法まで、私たちが日常生活で取り入れられるアイデアを紹介します。
エシカル消費とは?
エシカル(Ethical)とは、「倫理的な」「道徳的な」という意味で、「人や社会、地球環境に配慮した行動や考え方」を指します。現代では特に消費活動やライフスタイルにおいて、環境や人権、動物福祉に配慮した選択をすることを「エシカル消費」や「エシカルライフ」と呼び、広く普及しています。
エシカル消費(Ethical Consumption)とは、商品やサービスを選ぶ際に価格や品質だけでなく、「環境への負荷」「人権問題への配慮」「動物福祉」などの社会的影響を考慮して消費をすることです。私たちが何気なく行う消費行動が、地球の反対側の誰かの生活や環境に大きな影響を与えているかもしれないという認識が広がりつつあります。
エシカル消費の目的・意義
エシカル消費の目的は、「消費を通じて社会的課題に貢献し、持続可能で公正な社会を実現すること」です。具体的には以下のような意義があります。
環境保護
環境に配慮した製品を選ぶことで、地球環境への負荷を減らすことができます。例えば、プラスチックフリーの製品を選ぶことでプラスチック汚染の削減に貢献できます。
途上国や労働者の人権保護
生産過程で労働者の権利が守られている製品を選ぶことで、公正な労働環境の実現に貢献できます。フェアトレード商品の購入は、発展途上国の生産者の生活改善につながります。
動物福祉の推進
動物福祉は「アニマルウェルフェア」とも呼ばれ、畜産業において動物が生まれてから死を迎えるまでの間、快適な飼育環境を整え、苦痛やストレスを最小限に抑えるという考え方です。牛肉、豚肉、鶏肉、卵などを購入する際に、アニマルウェルフェアを実践している生産者のものを選ぶことで、動物の権利を尊重することができます。
また、ヴィーガンや動物愛護が人間の目線であるのに対し、動物福祉は動物の目線で考えるという点に違いがあります。いずれにしても、動物実験を行っていない化粧品を選んだり、動物性原料を使用していない製品を選ぶことは、エシカル消費の実践になります。
経済格差の縮小
生産者の労働が搾取されることなく、適正な収入を得るための公正な取引(フェアトレード)を重視する企業の製品を選ぶことが、世界的な経済格差の是正に貢献できます。
SDGsの達成
エシカル消費は国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも深く関連しています。特に12番目の目標である「責任ある生産と消費」はまさに、エシカル消費を実践することにつながります。
エシカル消費の具体例
エシカル消費の対象となる商品には以下のようなものがあります。
フェアトレード製品
フェアトレードとは、発展途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「公正な取引」のことです。日本で購入できるフェアトレード製品にはコーヒー、チョコレート、バナナ、コットン製品などがあります。パッケージやタグに表示されているフェアトレードの認証マークが目印です。
クルエルティフリー&ヴィーガン製品
動物実験を行わず(クルエルティフリー)、動物由来の原料を使用していない(ヴィーガン)製品は、動物福祉を重視したエシカル消費の代表例です。化粧品、スキンケア製品、衣料品などで選ぶことができます。
サステナブル素材の製品
環境に優しい素材を使用した製品を選ぶことも重要なエシカル消費の一つです。最近では、アップルレザー(リンゴの皮から作られた素材)、グレープレザー、パイナップルレザー(ピニャテックス)など、植物由来のヴィーガンレザーも増えています。
オーガニック・無農薬食品
化学肥料や農薬を使用せず、自然の力を活かして栽培された食品を選ぶことで、環境への負荷を減らし、生産者や消費者の健康を守ることができます。
地産地消
地元で生産された食品や製品を購入することで、輸送による環境負荷を減らし、地域経済を活性化することができます。地元の農家直売所を利用する、地域の伝統工芸品を購入する、地元のレストランや小売店を利用することも、実はエシカル消費と言えます。
エシカル消費の実践アイデア10
1. 製品のバックグラウンドを調べる
購入前に企業の理念や製造過程、ブランドストーリーについて調べてみましょう。作り手の思いや企業理念に共感し、ファンになって購入することが応援になり、持続的なエシカル消費につながります。
2. ミニマリストになる
必要なものだけを購入し、物を大切に長く使うように心がける。
3. シェアリングエコノミーを活用する
カーシェアリングや民泊、クラウドファンディングなど、モノ・空間・スキル・お金をシェアするサービスがどんどん広がっています。所有ではなく共有するという選択肢を選ぶことが社会貢献につながり、エシカル消費となります。
4. エシカルな金融機関を選ぶ
環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)に配慮したESG投資を行なっている金融機関や投資会社が増えています。自分の預金が社会貢献度の高い企業に投資されている金融機関を選ぶことがエシカル消費になります。
5. リサイクル・アップサイクルを実践する
不要になったものを捨てるのではなく、リサイクルに出したり、自ら手を加えることで新しく生まれ変わらせる方法を試す。
6. 衣類の寿命を延ばす
修理しながら長く着るか、セカンドハンドの衣類を購入しましょう。例えば近頃注目の「ダーニング」。穴の空いた靴下に布を当てて修繕する技法で、カラフルな布を使いポップに仕上げるのが可愛いと、子育て世代の間で人気が広まっています。
7. エネルギー消費を見直す
再生可能エネルギーへの切り替えや、省エネな生活習慣を取り入れる。
8. 食品ロスを減らす
計画的に買い物をし、食材を無駄にしない工夫をする。
9. 水の使用量を減らす
シャワー時間を短くする、雨水を再利用するなど、水資源を大切にする。
10. ゴミを減らす
生ゴミをコンポストにして再利用する方法や、ゴミの分別に協力して資源ゴミはできるだけリサイクルに回すことも立派なエシカル消費です。
エシカル消費の始め方
エシカル消費は、一度にすべてを完璧に実践する必要はありません。できることから一歩ずつ、段階的なアプローチがおすすめです!
ステップ1: 情報収集から始めてみる
エシカル消費に関する書籍やウェブサイト、SNSなどから情報を集めましょう。エシカルな商品を扱うセレクトショップに足を運ぶと、さまざまなエシカル製品や企業の取り組みを知ることができます。
例)
エシカルな暮らし
https://ethikura.com
ステップ2: 小さな一歩から始める
すべての消費行動を一度に変えるのは困難です。まずは身近なものから、例えばマイボトルを持ち歩く、プラスチック製のストローを使わないなど、簡単なことから始めましょう。
ステップ3: コミュニティに参加する
同じ志を持つ人々とのつながりは、継続的な実践の大きな支えになります。SNSや地域のイベントで仲間を見つけましょう。
ステップ4: 自分なりのエシカルなライフスタイルを構築する
完璧を目指すのではなく、自分の価値観に合ったエシカルな選択を積み重ねていくことが大切です。
楽しみながらコツコツと、長く続けていくことが大切
エシカル消費は、日々の小さな選択の積み重ね。無理や我慢をするとか、人に押し付けられても長くは続けられません。「自分の選択がどこかで誰かの役に立つ」と信じて、そこに楽しさや喜びを見出していくのが一番です。何かを購入する際に、価格や利便性だけで選ぶのではなく、その製品やサービスが社会や環境にどのような影響を与えられるかを考慮することで、私たち一人ひとりがサステナブルな未来の実現に貢献することができます。
今からでも始められるエシカル消費。あなたの小さな一歩が、世界を変える大きな一歩になるかもしれません。